
東京都千代田区永田町、まさに日本の政治の中心地に鎮座する「日枝神社」。
高いビル群に囲まれながらも、一歩足を踏み入れればそこには驚くほど静謐(せいひつ)な空気が流れています。
多くのビジネスマンや参拝客が訪れるこの神社には、他の神社ではあまり見かけない「ある特徴」があります。
それが、神門や拝殿の左右で私たちを迎えてくれる「猿」の姿です。
「え、神社といえば狛犬じゃないの?」と驚く方も多いかもしれません。
実はこの「狛猿」、ただの飾りではなく、深い歴史ととてつもないパワーを秘めた存在なのです。
- 日枝神社に狛犬ではなく「狛猿」がいる歴史的理由
- 「神猿(まさる)」という名前に込められた魔除けの意味
- オスの狛猿が司る商売繁盛と仕事運の引き寄せ
- メスの狛猿が司る安産・子宝・縁結びの具体的な恩恵
- 運気を直接チャージできる「なで猿」の正しい参拝マナー
- 自分にぴったりの色が選べる「まさる守」の選び方
- 赤坂の都会にいながら「気」を整えるおすすめ参拝ルート
私も初めて訪れたときは、その愛らしい、それでいて威厳のある猿たちの姿に目が釘付けになりました。
今回は、そんな日枝神社のシンボルである「狛猿」の魅力を余すことなくお伝えします。
日枝神社の狛猿とは?なぜ狛犬ではなく猿が選ばれたのか
- 「魔が去る・勝る」に通じる神使・神猿(まさる)の由来
- オスとメスで表情が違う?夫婦一対で安置される理由
日枝神社の境内を歩いていると、誰もが「あれ?」と足を止める瞬間があります。
それが、拝殿の前に堂々と鎮座する猿の石像、通称「狛猿(こまざる)」との出会いです。
一般的な神社であれば、そこには鋭い牙を剥いた狛犬がいるのが当たり前ですよね。
しかし、ここ日枝神社では、古くから猿が神様の使い(神使)として大切にされてきました。
これには、日枝神社の御祭神である「大山咋神(おおやまくいのかみ)」との深い関わりがあります。
大山咋神は山の神様であり、猿は古来より「山の守護神」と考えられていたからです。
また、猿は日の出とともに騒ぎ出すことから、太陽(日の神)の使者とも言われてきました。
そんな神聖な存在としての猿が、私たちの願いを神様に届けてくれる橋渡し役を担っているのです。
この章では、なぜ猿がこれほどまでに特別視されているのか、そのルーツを紐解いていきましょう。
都会のビル風に吹かれながら、静かに座り続ける彼らの目には、一体何が映っているのでしょうか。
「魔が去る・勝る」に通じる神使・神猿(まさる)の由来
日枝神社で猿たちが「神猿(まさる)」と呼ばれているのには、非常にポジティブな理由があります。
まず一つ目は、単純に「猿(さる)」という言葉を「魔が去る(ざる)」という響きに重ねたことです。
人生における厄災や、自分を苦しめている悪い縁が、猿の力で遠ざかっていく。
これって、現代社会でストレスに晒されている私たちにとって、最高のお守りになりますよね。
二つ目は、「勝る(まさる)」という言葉です。
「何事にも勝る」「勝負に勝つ」といった力強いエネルギーを象徴しているのです。
「神猿(まさる)」という呼び名は、まさに最強のラッキーモチーフと言えるでしょう。
さらに、猿は「えん」とも読めますから、それが転じて「良い縁(えん)」を運んでくると信じられています。
言うなれば、日枝神社の猿は、運気のデトックスとブーストを同時にこなしてくれる、神界のマルチタスクプレイヤーのような存在です。
実際に、かつて徳川将軍家が江戸城の鎮守としてこの神社を崇敬したのも、この強い守護の力を認めていたからに他なりません。
これは心理学でいうところの「権威性の法則(専門家や権威のある存在を信じやすい心理)」ですね。
「徳川家が認めたなら間違いない」という歴史的な裏付けが、今も多くの参拝客を引き寄せる「社会的証明」となっているわけです。
オスとメスで表情が違う?夫婦一対で安置される理由
日枝神社の狛猿をじっくり観察してみてください。実は、左右でその姿が全く異なることに気づくはずです。
向かって右側に座っているのは、烏帽子(えぼし)を被り、どこか威厳を感じさせる「父猿(オス)」です。
一方で、向かって左側に座っているのは、愛らしい赤ちゃんを抱いた「母猿(メス)」です。
この「夫婦一対」で安置されていることこそが、日枝神社の信仰の大きな特徴でもあります。
猿はもともと群れで生活し、家族の絆が非常に強い動物として知られていますよね。
そのため、この一対の像は「夫婦円満」や「家内安全」の象徴として、多くの参拝者に親しまれています。
家族がバラバラにならず、協力して生きていく。そんな当たり前で、かつ最も尊い願いがここに込められています。
個人的には、この母猿の抱く赤ちゃん猿の表情が本当に可愛らしくて、見ているだけで心がほぐれる気がします。
それはまるで、殺伐としたビジネス街の中に、一輪の温かなお花が咲いているような、不思議な光景です。
心理学には「ベビーフェイス効果」という言葉がありますが、まさにあの丸みを帯びた猿の造形は、私たちの警戒心を解き、親近感を抱かせる効果があるのかもしれませんね。
厄除けから縁結びまで!日枝神社の狛猿が持つ多彩なご利益
- 仕事運や勝負運を上げたいなら「左側のオス」に注目
- 安産や子宝・良縁を願うなら「右側のメス」がおすすめ
日枝神社の狛猿がこれほどまでに愛されるのは、そのご利益の「幅広さ」にあります。
「魔除け」から「縁結び」まで。なんだか、どんな悩みにも寄り添ってくれる万能のカウンセラーのようですよね。
しかし、実はお願い事の種類によって、どちらの猿にお参りすべきかが少し変わってくるんです。
「えっ、どっちでも同じじゃないの?」と思われがちですが、それぞれの猿には得意分野があります。
この章では、あなたが今抱えている「解決したい問題」や「叶えたい夢」に合わせて、どのように狛猿にお参りすればいいかを深掘りしていきます。
赤坂という場所柄、ここには多くの経営者や政治家も訪れますが、彼らが何を求めてこの猿たちの前に立つのか、その秘密を探ってみましょう。
ご利益の正体を知ることは、あなたの参拝をより意味深いものに変えてくれるはずです。
仕事運や勝負運を上げたいなら「左側のオス」に注目
まず、ビジネスマンや受験生、あるいは勝負事を控えている方にぜひ向かってほしいのが、向かって右側に座る「父猿」です。
(※視覚的には向かって右、つまり社殿から見て左側、神社の配置としては左大臣・右大臣に準じる重要な位置づけです)
このオス猿は、烏帽子を被った姿からも分かる通り、非常にフォーマルで力強い役割を担っています。
主なご利益は、商売繁盛や社運隆昌、そして厄難消除です。
「仕事で大きなプロジェクトを成功させたい!」「ライバルに負けたくない!」そんなエネルギーが必要なときは、この父猿のパワーを借りましょう。
「勝る(まさる)」の力は、停滞した運気を一気に押し上げるエンジンになります。
多くのビジネスマンがここを訪れるのは、単なる習慣ではなく、実際に運気が上向くという「社会的証明(みんなが選んでいるから安心)」があるからでしょう。
私も以前、仕事がうまく回らず悩んでいた時期に、この父猿の前で静かに深呼吸をしたことがあります。
そのとき、ふと「自分もこの猿のように、揺るぎない土台を持たなければ」と気づかされた気がしました。
まさに心理学でいう「プライミング効果(事前に見たものが、その後の判断に影響する心理)」で、猿の凛とした姿が自分自身の姿勢を正してくれたのかもしれません。
安産や子宝・良縁を願うなら「右側のメス」がおすすめ
一方で、女性やカップル、ご家族に絶大な人気を誇るのが、向かって左側に座る「母猿」です。
(※視覚的には向かって左。赤ちゃんを抱いている姿が目印です)
この母猿が司るのは、子授け、安産、家内安全、そして縁結びです。
猿は多産でありながら安産であることから、古くから安産の守り神として大切にされてきました。
特に、猿(さる)が「えん」と読めることから、婚活中の方や素敵な出会いを求めている方にとっても、強力なパワースポットとなっています。
「良縁」は単なる恋愛だけでなく、仕事のパートナーや友人関係など、人生を豊かにするあらゆる「縁」を指しています。
実際に子宝祈願で訪れる方の中には、母猿の優しげな表情を見て、涙を流す方もいらっしゃいます。
これは心理学でいう「自己開示(自分の弱さや願いをさらけ出すこと)」が、この聖域では自然に行われるからでしょう。
「この猿さんなら、私の願いを受け止めてくれる」という安心感こそが、最も強い癒やしになるのですね。
愛らしい姿に癒やされる!日枝神社の狛猿を拝む見どころ
- 本殿前だけじゃない!境内に隠れたお猿さんたちを探そう
- 運気を直接いただく!「なで猿」の作法と触れるべき場所
日枝神社の参拝は、ただ拝殿でお賽銭を投げて終わりではありません。
境内の至るところに隠された「猿のモチーフ」を探すのも、大きな楽しみの一つです。
まさに「大人の宝探し」のようなワクワク感がここにはあります。
「ここにも猿がいた!」「こっちの猿はまた表情が違うね」なんて言いながら歩くと、いつの間にか心の曇りが晴れていくのを感じるはずです。
また、視覚だけでなく「触覚」で運気を授かる方法も忘れてはいけません。
この章では、参拝の質を一段階上げるための、具体的な見どころと「なで猿」の作法についてご紹介します。
都会の慌ただしさを忘れて、五感をフルに使って日枝神社のパワーを感じてみてください。
本殿前だけじゃない!境内に隠れたお猿さんたちを探そう
一番目立つのは拝殿前の大きな夫婦像ですが、実は他にも猿たちは隠れています。
例えば「随神門(ずいしんもん)」。ここには、表側だけでなく裏側を守るようにして猿が配置されています。
正面には伝統的な武官の像が立っていますが、その背面でひっそりと、しかし確実に聖域を守護している姿には感動すら覚えます。
まるで、表舞台で活躍する私たちを、陰ながら支えてくれる心強い味方のようです。
こうして境内の様々な場所に猿がいることは、私たちに「どこにいても神様が見守ってくれている」という安心感を与えてくれます。
さらに、日枝神社の総本社である日吉大社には「猿の霊石」というものがあり、その凹凸が猿の形に見えることから信仰されています。
日枝神社の境内でも、石や木々の表情をじっくり見てみると、あなただけに見える「神猿さん」が現れるかもしれません。
これは心理学の「カラーバス効果(意識した情報が目に入りやすくなる現象)」ですね。
「猿を探そう」と思って歩くだけで、今まで見えていなかった神社の魅力が次々と目に飛び込んでくる。これこそ、参拝を100倍楽しくするコツです。
運気を直接いただく!「なで猿」の作法と触れるべき場所
日枝神社を訪れたら絶対に外せないのが、像に直接触れることができる「なで猿」です。
「神聖な像に触ってもいいの?」と躊躇する方もいるかもしれませんが、ここではむしろ「なでること」が推奨されています。
自分の体で気になる部分(例えば腰が痛ければ腰、頭を良くしたければ頭など)をなでた後に、猿の同じ場所をなでるのが一般的です。
あるいは、単純にその強力なエネルギーをお裾分けしてもらうように、優しくなでるだけでも十分です。
ポイントは、なでる時に「感謝」の気持ちを忘れないことです。
「いつも守ってくれてありがとう」という気持ちが、像を通じて神様に伝わります。
なでられた部分はピカピカに光っていて、それだけ多くの人の願いと手が重なってきたことが分かります。
これは「社会的証明」そのもので、「これだけ多くの人がなでているなら、きっと力があるに違いない」という確信に繋がります。
鉄や石のひんやりとした感触の後に、多くの人の祈りが宿った微かなぬくもりを感じるかもしれません。
そんな生々しい感覚こそが、情報の溢れる現代社会で私たちが忘れかけている「実感」という宝物ではないでしょうか。
大人気!日枝神社の狛猿がデザインされたお守りや御朱印
- 厄除けの定番「まさる守」の種類と自分に合った選び方
- 猿のスタンプが可愛い!日枝神社限定の御朱印と御朱印帳
参拝の最後には、自分自身や大切な人のために「猿のパワー」を持ち帰りましょう。
日枝神社の授与品(お守り)は、そのデザイン性の高さから若い世代や海外の方にも非常に人気があります。
特に、お猿さんの形をしたお守りは、見ているだけで心が和みます。
「どれにしようかな…」と迷う時間も、実は神様との対話の時間だったりします。
御朱印にも、日枝神社ならではの特別な「遊び心」が隠されています。
この章では、あなたの日々の生活を彩り、守ってくれる猿グッズの数々をご紹介します。
自分へのお土産として、あるいは大切な人への「心遣い」として、最高の逸品を見つけてください。
厄除けの定番「まさる守」の種類と自分に合った選び方
日枝神社で最も有名なのが、ずばり「まさる守」です。
コロンとした猿の形をしたお守りで、その「まさる」という響き通り、あらゆる困難に打ち勝つ力を授けてくれます。
面白いのは、おみくじに同封されている小さな神猿守が「7色」もあることです。
- 赤色: 必勝・勝負運
- ピンク: 良縁・恋愛成就
- 黄色: 金運上昇
- 白色: 交通安全
- 紫・青・緑: 除災招福や仕事運、健康運など
「今の自分に一番必要な色は何かな?」と考えるのは、心理学でいう「内省(自分の心を見つめること)」になります。
何色が出るか分からないワクワク感は、まさに人生そのもの。引き当てた色は、今のあなたへの神様からのメッセージかもしれません。
また、大きな猿の顔が刺繍されたお守りもあり、これは「ハロー効果(第一印象が良いものが全体を良く見せる)」で、カバンに付けているだけで「自分は守られている」という自信を与えてくれます。
デザインの可愛さに惹かれて手にするのも立派なきっかけですが、そこに込められた「魔が去る」という強い意志を感じて持ってみてください。
それは、単なる布や糸の塊ではなく、あなたを支える目に見えない盾となるはずです。
猿のスタンプが可愛い!日枝神社限定の御朱印と御朱印帳
最近、御朱印集めをされている方も多いと思いますが、日枝神社の御朱印は絶対にゲットしておくべきです。
なぜなら、季節やタイミングによって、お猿さんの可愛いスタンプが押されることがあるからです。
威厳のある文字の横に、ちょこんと座る猿のスタンプ。そのギャップがたまらなく愛おしいですよね。
さらに、オリジナルの御朱印帳も黄色や青など鮮やかで、神猿が可愛らしくデザインされたものが人気です。
この御朱印帳を開くたびに、赤坂の社殿で感じた静かな空気と、お猿さんの優しい眼差しを思い出すことができます。
思い出は時間が経つと薄れてしまいがちですが、御朱印という形に残るものがあれば、いつでもその瞬間に戻ることができます。
これは心理学の「アンカリング(特定の対象と感情を結びつけること)」で、御朱印を見るだけで心がリセットされる効果が期待できるんです。
都会の喧騒に戻った後でも、御朱印帳一冊あれば、そこはもうあなただけのパワースポット。いつでも「神猿さん」があなたの心の中に現れてくれます。
日枝神社の狛猿を参拝して「魔」を払い「縁」を結ぼう
ここまで、日枝神社の「狛猿」にまつわる深い魅力をお伝えしてきました。
最初は「なぜ犬じゃなくて猿なんだろう?」という素朴な疑問だったかもしれません。
しかし、その背景には山の神様との繋がりや、人間への深い慈しみ、そして「魔を払い勝利へ導く」という強力な意志が隠されていました。
都会の忙しい毎日を送る私たちにとって、日枝神社のお猿さんは、単なる「神様の使い」以上の存在です。
それは、時に厳しく自分を律する鏡であり、時に優しく背中を押してくれる親友のような存在でもあります。
赤坂というエネルギッシュな街を訪れる際は、ぜひ立ち寄って、お猿さんの前に静かに立ってみてください。
きっと、今のあなたに必要な「何か」が見えてくるはずです。
- 日枝神社では狛犬ではなく「狛猿(神猿)」が神使として置かれている
- 「猿」は御祭神の大山咋神が山の神であることに由来する
- 「まさる」には「魔が去る」「勝る」という二つの力強い意味がある
- 音読みの「猿(えん)」は「良縁」を運んでくると信じられている
- 向かって右(父猿)は仕事運・商売繁盛・社運隆昌を司る
- 父猿は烏帽子を被った威厳のある姿が特徴
- 向かって左(母猿)は安産・子授け・家内安全の守護神
- 母猿は赤ちゃん猿を抱いた愛らしい表情が目印
- 夫婦一対の像は夫婦円満の象徴としても有名
- 「なで猿」は自分の気になる部分をなでることで運気を授かる
- なでる際は感謝の気持ちを伝えるのが正しいマナー
- お守りの「まさる守」は7色あり自分の悩みや願いに合わせて選べる
- 御朱印にも猿のモチーフが使われておりコレクターに人気
- 随神門の裏側にも猿が隠れており境内の見どころは多い
- 都会の喧騒を忘れて心身をリセットできる最高のパワースポットである

