
街が赤と緑に染まり、イルミネーションが輝き始めると、どこか「何か特別なことをしなきゃいけない」というプレッシャーを感じることはありませんか?
特に結婚して数年が経ち、子供が大きくなったり、あるいは夫婦二人の生活が落ち着いてきたりすると、ふとこう思う瞬間があるはずです。
「今年のクリスマス、もう何もしなくて良くない?」
実はこれ、僕も妻と何度も交わした会話です。若い頃は張り切ってレストランを予約したり、サプライズを用意したりもしましたが、30代も半ばを過ぎると、正直なところ「平穏な日常」が何よりの贅沢に感じられたりするんですよね。
この記事では、あえて「クリスマスに何もしない」を選択する夫婦の心理や、そのメリットについて、僕の実体験を交えてお話しします。
「何もしない=愛がない」なんてことは決してありません。むしろ、飾り気のない日常を愛せることこそ、最強のパートナーシップの証かもしれませんよ。
- 「何もしない」派の夫婦は意外と多いという現実
- イベント疲れを感じる大人の心理的背景
- 混雑と出費を回避する合理的メリット
- 平日クリスマスの無理のない過ごし方
- スーパーの惣菜でも幸せを感じるコツ
- 夫婦間の意識のズレを防ぐ確認方法
- 日常こそが最大のギフトであるという考え方
目次
クリスマスに何もしない夫婦は意外と多い?割合と本音
- キラキラしたイベントに疲れた大人の事情
- 「愛がない」わけじゃない!合理的な理由
「世の中の夫婦はみんな、素敵なディナーを楽しんでいるに違いない」。SNSを開けばそんな写真ばかりが並び、自分たちだけが取り残されたような気分になること、ありますよね。
でも、安心してください。それは心理学でいう「生存者バイアス」(目に見える成功例や派手な事例だけを基準に判断してしまう心理)に過ぎません。
実際には、家で普段通りの夕食を食べ、普段通りにお風呂に入って寝る夫婦は山ほどいます。僕の周りのパパ友たちに聞いても、「いやー、今年はもうケンタッキーすら予約してないよ」なんて声がちらほら。
この章では、なぜ多くの夫婦が「何もしない」という選択に至るのか、その背景にある「大人の事情」と「本音」について深掘りしてみましょう。これを読めば、「なんだ、うちだけじゃないんだ」と肩の荷が下りるはずです。
キラキラしたイベントに疲れた大人の事情
20代の頃は楽しかったはずのイベントが、30代、40代と年齢を重ねるにつれて「タスク」に感じられてしまう。
これはある意味、自然な心の変化です。
仕事では年末の繁忙期に追われ、家では大掃除や年賀状の準備が控えている。そんな中で「クリスマスの演出」という重たいタスクがのしかかってくるわけです。
例えるなら、フルマラソンを完走した直後に「さあ、これからダンスパーティーですよ!」と言われるようなもの。いやいや、今は休ませてくれよ、というのが本音でしょう。
僕自身、仕事でクタクタになって帰宅した夜、「今日はピザのデリバリーで済ませよう」と妻と合意した時のあの解放感。あれはどんな高級ディナーにも勝る「癒やし」でした。
「愛がない」わけじゃない!合理的な理由
「クリスマスを祝わないなんて、もう相手に関心がない証拠では?」と不安になる方もいるかもしれません。
しかし、多くの場合、それは「関心の欠如」ではなく「合理的な判断」です。
- どこに行っても混雑しているストレスを避けたい
- クリスマス価格(通常より割高)への抵抗感
- 寒い中わざわざ外出するよりも、暖かい家が一番
これらは全て、夫婦の生活を守るための賢い選択と言えます。
心理学には「現状維持バイアス」(変化を避け、現在の安定した状態を好む心理)という言葉がありますが、これは決して悪いことではありません。二人が「平穏」を心地よいと感じているなら、それは二人の関係が十分に安定し、成熟している証拠なのです。
無理にイベントを詰め込んで喧嘩になるくらいなら、何もしないでコタツでみかんを食べて笑っている方が、よっぽど「愛のある過ごし方」だとは思いませんか?
あえて「何もしない」を選ぶ夫婦のメリット
- 混雑も出費もゼロ。家こそが最高の特等席
- 平日ど真ん中のクリスマスなら「通常運転」が正解
「何もしない」というと消極的に聞こえるかもしれませんが、視点を変えればこれほど贅沢な時間の使い方はありません。
僕たち夫婦も、ある年から「クリスマスは家から一歩も出ない」というルール(?)を設けたことがあります。
これがもう、快適すぎて抜け出せない。
周りが寒空の下、イルミネーションを見るために行列に並んでいる中、部屋着のままぬくぬくと過ごす優越感。これはある意味、究極の「勝ち組」ムーブかもしれません。
この章では、「何もしない」という選択がもたらす具体的なメリットについて、僕の実感を込めて解説します。これを読めば、あなたも堂々と「今年は家でゴロゴロしよう!」とパートナーに提案できるはずです。
混雑も出費もゼロ。家こそが最高の特等席
クリスマスの外出は、正直言って「忍耐」の連続です。
レストランは予約でいっぱい、道は渋滞、ケーキを買うのにも行列。これでは、楽しむために出かけたはずが、ストレスを溜めて帰ってくることになりかねません。
しかし、家ならどうでしょう。待ち時間はゼロ。トイレも並ばない。好きな音楽をかけ放題。
言うなれば、自宅のリビングが、世界で一番リラックスできるVIPルームに変わるのです。
さらに経済的なメリットも絶大です。外食すれば二人で数万円飛んでいく夜も、家なら数千円で豪華な食事が楽しめます。浮いたお金で、年末年始にちょっと良いお肉を買うのもアリですよね。

平日ど真ん中のクリスマスなら「通常運転」が正解
カレンダーを見てみてください。クリスマスが平日ど真ん中の火曜日や水曜日だった場合、皆さんどうしていますか?
翌日も早起きして仕事やお弁当作りがあるのに、夜遅くまでパーティーをするのは現実的ではありません。
僕の場合、平日のクリスマスは完全に「通常運転」です。
「今日はクリスマスだねー」と言いながら、いつも通りの味噌汁と焼き魚を食べる。むしろ、このギャップが面白かったりします。
無理をして生活リズムを崩すと、翌日のパフォーマンスに響きます。大人の夫婦にとって、「翌日に疲れを残さない」ことこそが、最高のリスク管理であり、自分たちへのプレゼントなのです。
クリスマスだけど何もしない派におすすめの「プチ」楽しみ方
- スーパーのチキンとケーキだけで十分幸せ
- いつもより少し良い入浴剤でリラックス
「何もしない」と言っても、本当に無言で過ごすわけではありません。「頑張らない」だけであって、「楽しまない」わけではないのです。
準備に何時間もかけたり、正装して出かけたりはしないけれど、日常の中にほんの数ミリだけ「非日常」をトッピングする。
それくらいのさじ加減が、30代以上の夫婦にはちょうど良い塩梅だと僕は思います。
この章では、手間もお金もかけずに、でも心は十分に満たされる「プチ楽しみ方」をご紹介します。これなら、どんなに忙しい日でも実践できますよ。
スーパーのチキンとケーキだけで十分幸せ
わざわざデパ地下や有名パティスリーに行かなくても、近所のスーパーで十分です。
仕事帰りに半額シールが貼られたローストチキンを見つけたら、それはもう「運命の出会い」。迷わずカゴに入れましょう。
コンビニのスイーツコーナーにある少し高めのケーキを2つ買うだけでも、立派なクリスマスです。
ポイントは、「お皿だけはちょっと良いやつを使う」こと。
スーパーの惣菜でも、お気に入りの陶器の皿に盛り付けるだけで、見た目の価値が跳ね上がります。これは心理学の「クレショフ効果」(前後の文脈や環境で見え方が変わる心理)の応用ですね。
「手抜きじゃないよ、効率化だよ」と妻と笑い合いながら食べるチキンは、高級フレンチに負けないくらい美味しいものです。
いつもより少し良い入浴剤でリラックス
食事すら普段通りでいい、という場合は、お風呂だけ変えてみてはどうでしょうか。
ドラッグストアで売っている1個200円くらいの個包装の入浴剤。これを入れるだけで、いつもの狭いお風呂がスパに変わります。
柚子の香り、森の香り、あるいは炭酸バブル。夫婦で順番に入って、「今日の入浴剤、めっちゃ良かったよ」と感想を言い合う。
そんな些細な会話が、日常の疲れを溶かしてくれます。
特別なプレゼント交換はしなくても、「疲れを癒やす時間」を共有すること。それが、何もしない派の夫婦にとっての最適なクリスマスの過ごし方かもしれません。

夫婦で温度差がある場合は要注意!何もしないの合意形成
- 夫(妻)は実は期待しているかも?事前の確認法
- 「何もしない」=「感謝もしない」ではない
ここまで「何もしなくていい」という話をしてきましたが、一つだけ注意点があります。
それは、「夫婦間の温度差」です。
あなたが「今年は何もしたくないな」と思っていても、パートナーは心のどこかで「でもケーキくらいは…」と期待しているかもしれません。
この認識のズレが、後々「あの時、私のことなんてどうでもいいんだって思った」という火種になることも…。これだけは避けたいですよね。
この章では、そんな悲劇を防ぐための「事前のすり合わせ」と、最低限のマナーについてお話しします。
夫(妻)は実は期待しているかも?事前の確認法
「察してくれ」は禁物です。超能力者でない限り、相手の期待値を正確に当てることは不可能です。
クリスマスの1週間くらい前に、何気なくこう聞いてみてください。
「今年のクリスマス、平日だし忙しいけど、どうする?俺は家でゆっくり鍋でもいいかなって思ってるんだけど」
ここで重要なのは、「自分の希望(家でゆっくりしたい)」を提示しつつ、「相手の意見」を求めることです。
もし相手が「えー、でもケーキは食べたいな」と言えば、そこだけ採用すればいいし、「そうだね、私も疲れてるから賛成」と言えば、晴れて「何もしない協定」が結ばれます。
これはビジネスで言うところの「期待値調整」。事前の合意さえあれば、当日に何もしなくても不満は生まれません。
「何もしない」=「感謝もしない」ではない
イベントやプレゼントを省略したとしても、パートナーへの「感謝の言葉」まで省略してはいけません。
むしろ、何もしないからこそ、言葉の重みが増します。
「いつもありがとう。今年はバタバタしてるけど、来年は少しゆっくりできるといいね」
そんな一言があるだけで、相手は「大切にされている」と感じることができます。
心理学には「ネームコーリング効果」(名前を呼ばれると好感を持つ)というものがありますが、会話の中で意識的に「○○(パートナーの名前)、ありがとう」と名前を呼んで伝えてみてください。
お金をかけたプレゼントよりも、心からの「ありがとう」の方が、夫婦の絆を深める特効薬になります。
クリスマスに何もしない夫婦も素晴らしい
「クリスマスに何もしないなんて、寂しい夫婦だと思われないかな?」
もし記事を読む前にそう思っていたなら、今すぐその考えは捨ててしまいましょう。
何もしないことを選択できるのは、二人の関係がイベントという「刺激」に頼らなくても成立している証拠です。 それは、とても誇らしいことだと僕は思います。
豪華なディナーも、高価なプレゼントもありませんが、暖かい部屋と、隣にいるパートナー。そして、飾らない日常。 これらが揃っているなら、それ以上の幸せなんて、そうそうあるものじゃありません。
今年のクリスマスは、堂々と「何もしない」を楽しんでください。 メリークリスマス、そして、素敵な「普通の夜」を。
- 何もしない夫婦は決して少数派ではない
- イベント疲れは30代以降の自然な心理変化
- 混雑回避や節約など合理的なメリットが多い
- 家で過ごす時間は最高の贅沢になり得る
- 平日のクリスマスは通常運転で翌日に備える
- スーパーの惣菜も器を変えればご馳走になる
- 入浴剤などで日常に小さな変化をつける
- 事前の話し合いで期待値のズレを防ぐ
- イベントは省略しても感謝の言葉は省略しない
- 何もしない日常こそが二人の絆の証

