
- 外資系特有の「スマートな去り方」の基本ルール
- 【コピペOK】上司・同僚・クライアント別の英語メール例文
- カウンターオファーを角を立てずに断るテクニック
- 将来のキャリアに繋がる「アルムナイ」ネットワークの作り方
- 退職メールを送るベストなタイミングと曜日
- 20代がやりがちな「退職時のNG行動」
- 「ピーク・エンドの法則」を活用した印象操作術
「Resignation Letter(退職届)のボタンを押す手が震える…」
「英語のニュアンスを間違えて、上司を怒らせたらどうしよう…」
今、あなたはパソコンの画面の前で、そんな不安と戦っているのではないでしょうか?
その気持ち、痛いほどよく分かります。私も20代の頃、初めて外資系企業を辞める時は、送信ボタンがまるで核ミサイルの発射スイッチのように見えましたから。
特に外資系は業界が狭く、悪い噂は光の速さで広まります。今の会社での「去り際」が、次のキャリアの「評価」に直結するのです。
でも、安心してください。
これから紹介する「型」と「マナー」さえ押さえておけば、あなたの退職は決してネガティブなものではなく、「次のステージへの華麗なる卒業」へと変わります。
この記事では、20代のあなたが円満に、そしてプロフェッショナルとしてカッコよく去るための英語メール例文を、シチュエーション別に完全網羅しました。さあ、深呼吸して、一緒に準備を始めましょう。
目次
20代の外資系で円満退職するための英語メール例文の基本ルール
- 20代特有のプロフェッショナルなトーン
- 件名(Subject)の明確化
- 感謝とポジティブな理由付け
まずは、具体的な例文を見る前に、外資系における「退職メールの鉄則」を頭に入れておきましょう。ここを外すと、どんなに綺麗な英語を使っても「あいつは分かってない」と思われてしまいます。
言うなれば、「高級フレンチのフルコースを食べに行ったのに、最後にテーブルの上で会計ダンスを踊る」くらい、すべてを台無しにしてしまう可能性があるのです。
20代特有のプロフェッショナルなトーン
20代の若手であるあなたが意識すべきトーンは、「謙虚かつ自信を持つこと」です。
外資系では「ビジネスライク=冷たい」ではありません。感情を排しすぎるとロボットのようになりますし、逆に感傷的になりすぎるとプロ意識を疑われます。
心理学でいうところの「ハロー効果(ある目立ちやすい特徴が全体の評価を歪める現象)」を味方につけましょう。「最後まで礼儀正しく、しっかりしたメールを送れる若手」という印象を残せば、あなたの過去のミスさえも「成長の糧だった」とポジティブに上書きされる可能性があります。
逆に、ここで雑な対応をすると、「結局、最後まで使えないやつだった」というレッテルを貼られて終わりです。
件名(Subject)の明確化
件名は、シンプル・イズ・ベストです。
忙しい上司や同僚のインボックスの中で、一目で「何事か」が分かるようにしなければなりません。「Hello」や「Thank you」だけでは、スパムメールと間違われてゴミ箱行きです。
- Resignation - [Your Name]
- Farewell - [Your Name]
- Moving on - [Your Name]
これくらい直球で構いません。変にひねる必要は全くありません。
感謝とポジティブな理由付け
退職理由が「給料が安いから」でも「上司が嫌いだから」でも、メールにそれを書くのはご法度です。
これは心理学の「ピーク・エンドの法則(物事の印象は、ピーク時と終了時の記憶で決まる)」を意識してください。どんなに辛い日々があったとしても、最後(エンド)に「感謝」と「前向きな言葉」があれば、良い思い出として記憶に定着しやすくなります。
「新しい挑戦(New Challenge)」や「次のステップ(Next Step)」という言葉を使い、あくまでポジティブな門出であることを強調しましょう。

【上司宛】20代の外資系で円満退職する英語メール例文
- 退職の意思を伝えるフォーマルな例文
- 最終出社日と引継ぎを提案する例文
- カウンターオファーを断る場合の例文
ここからは実践編です。まずは一番緊張する、直属の上司(Manager / Director)へのメールです。
基本的には、対面(またはオンライン)で話した直後に、記録として送るのがマナーです。いきなりメールだけで「辞めます」と送りつけるのは、「結婚式の招待状をLINEスタンプ一個で済ませる」くらい失礼だと心得てください。
退職の意思を伝えるフォーマルな例文
すでに口頭で伝えていることを前提に、改めて書面で意思表示をします。
- Subject: Resignation - [Your Name] Dear [Boss's Name], Please accept this email as formal notification that I am resigning from my position as [Your Job Title]. My last day will be [Your Last Date]. Thank you so much for the opportunity to work in this position for the past [Number] years. I have genuinely enjoyed my time with the team and learned a lot under your guidance. Best regards, [Your Name]
ポイントは「簡潔さ」です。長々と書く必要はありません。法的・事務的な効力を持つ文書としての役割も兼ねているからです。
最終出社日と引継ぎを提案する例文
20代のあなたが評価を上げるチャンスはここです。「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、引継ぎプランを提示しましょう。
- Subject: Resignation and Transition Plan - [Your Name] Dear [Boss's Name], Following our conversation, I am writing to formally resign from [Company Name]. My final day will be [Date]. I want to ensure a smooth handover during my remaining time. I have already started documenting my current projects and am happy to assist in training my replacement. Thank you again for your support. Sincerely, [Your Name]
「I want to ensure a smooth handover(スムーズな引継ぎを確実にしたい)」という一言が、あなたの責任感を際立たせます。
カウンターオファーを断る場合の例文
優秀なあなたなら、引き留め(Counter Offer)にあうかもしれません。「給料を上げるから残ってくれ」と言われた時、どう断りますか?
ここでの曖昧な態度は、相手に「交渉の余地あり」と誤解させてしまいます。心理学でいう「一貫性の原理(一度決めたことを貫こうとする心理)」に従い、揺るがない決意を示しつつ、感謝を伝えるのがベストです。
- Subject: Re: Counter Offer Dear [Boss's Name], Thank you for the generous offer to stay at [Company Name]. I am truly flattered and appreciate your trust in me. However, after careful consideration, I have decided to pursue the new opportunity as it aligns closely with my long-term career goals. My decision to resign is final. I remain committed to ensuring a smooth transition until my last day. Respectfully, [Your Name]
「My decision is final(私の決断は最終的なものです)」ときっぱり伝えることが、お互いの時間を無駄にしないための優しさです。
【同僚・チーム宛】20代の外資系で円満退職する英語メール例文
- 感謝と別れを告げるカジュアルな例文
- 将来のネットワーキングを意識した例文
- 連絡先(LinkedIn等)を共有する例文
同僚へのメールは、少しカジュアルに、人間味を出してもOKです。彼らは将来、別の会社であなたのクライアントになったり、あるいはビジネスパートナーになったりするかもしれない「金の卵」です。
決して「せいせいしたぜ!」という雰囲気を出してはいけません。それは「卒業アルバムの最後のページに悪口を書く」ようなもので、一生の汚点になります。
感謝と別れを告げるカジュアルな例文
- Subject: Moving on - [Your Name] Hi Team, As some of you already know, I will be leaving [Company Name] on [Date]. It has been a pleasure working with all of you. I’ve learned so much and made great memories here. I’m sad to leave, but excited for my next adventure. Let’s stay in touch! Best, [Your Name]
「next adventure(次の冒険)」という表現は、外資系ではよく使われるポジティブなフレーズです。20代らしいフレッシュさが伝わりますよね。

将来のネットワーキングを意識した例文
特に親しかった同僚や、尊敬する先輩には、もう少し踏み込んだ内容で送りましょう。これは心理学の「返報性の法則(好意を示されると好意で返したくなる)」を種まきしておく行為です。
- Subject: Farewell and Thank You - [Your Name] Hi [Name], I’m writing to let you know that I’m moving on to a new chapter in my career. working with you on the [Project Name] was one of the highlights of my time here. Thank you for your mentorship and friendship. I hope our paths cross again in the future. Warmly, [Your Name]
連絡先(LinkedIn等)を共有する例文
外資系では、退職メールに個人の連絡先やLinkedInのURLを載せるのが常識です。これを忘れるのは、「名刺入れを持たずに異業種交流会に行く」くらい勿体ないことです。
- (メールの末尾に追加) My last day is [Date]. After that, you can reach me at [Personal Email Address] or connect with me on LinkedIn here: [Link Profile URL]. Please don't be a stranger!
「Please don't be a stranger!(他人行儀にならないでね=これからも連絡してね)」というフレーズは、ネイティブっぽくて親しみが湧くのでおすすめです。
【社外・顧客宛】20代の外資系で円満退職する英語メール例文
- 後任者を紹介する丁寧な例文
- これまでの感謝と今後の発展を願う例文
クライアントやパートナー企業へのメールは、最も慎重になるべきです。あなたの退職によって彼らに「迷惑」や「不安」を感じさせてはいけません。
ここでのゴールは、「あなたが辞めても業務は滞りなく進みます」という安心感(Peace of Mind)を提供することです。
後任者を紹介する丁寧な例文
- Subject: Updates regarding my role at [Company Name] Dear [Client Name], I am writing to inform you that I will be leaving [Company Name], effective [Date]. It has been a privilege working with you. To ensure a seamless transition, my colleague [Successor's Name] (cc'd here) will be taking over my responsibilities. He/She is fully briefed on your account and ready to support you. Thank you for the partnership. Best regards, [Your Name]
後任者をCCに入れ、その場で紹介してしまうのがスマートです。バトンタッチの瞬間を可視化することで、クライアントの不安を取り除きます。
これまでの感謝と今後の発展を願う例文
特に深い付き合いがあったクライアントには、定型文だけでなく、具体的なエピソードを一言添えると、あなたの株が爆上がりします。
- Subject: Farewell - [Your Name] Dear [Client Name], ... I truly enjoyed working on the [Project Name] with you last year. Your insights taught me a lot. I wish you and your company continued success. Sincerely, [Your Name]
「Your insights taught me a lot(あなたの洞察から多くを学びました)」と相手を持ち上げることで、心理学の「自尊心の欲求(認められたいという欲求)」を満たし、最後まで良い印象を残せます。
20代の外資系で円満退職する英語メール例文を送るタイミング
- 退職届(Resignation Letter)とメールの使い分け
- 送るべき最適な時間帯と曜日
- 送信前の最終チェックリスト
メールの内容が完璧でも、送るタイミングを間違えると大惨事になります。それはまるで、「みんなが寝静まった真夜中に、大音量でヘビメタを流し始める」ような空気の読めなさです。
退職届(Resignation Letter)とメールの使い分け
よく混同されがちですが、以下のように使い分けましょう。
- Resignation Letter (PDF/Word): 正式な書類。人事部に保管されるもの。非常にフォーマル。
- Resignation Email (本文): 上司への第一報や、Letterを添付する際のカバーレター。
- Farewell Email: 最終出社日(またはその数日前)に、同僚や社外へ送る挨拶。
今回ご紹介した「上司宛」の例文は、メール本文(またはLetterの中身)として使えます。
送るべき最適な時間帯と曜日
退職の意思を伝えるメール(上司宛)は、「金曜日の午後」が定石と言われています。週末を挟むことで、上司も冷静に状況を整理できるからです。
逆に、週明けの月曜日の朝イチなどは避けましょう。ただでさえ忙しい時間に爆弾を投下するのは、テロ行為に等しいです。
一方、お別れの挨拶(Farewell Email)は、「最終出社日の午後2時〜4時頃」がベストです。みんながランチから戻り、少し落ち着いた時間帯ですね。退社直前すぎると、返信する時間がなくなってしまいます。
送信前の最終チェックリスト
送信ボタンを押す前に、以下の3点を必ず確認してください。
- 退職日は間違っていないか?(契約上の通知期間を守っているか)
- ネガティブな表現はゼロか?(皮肉や不満は混じっていないか)
- 個人の連絡先は記載したか?(会社のPCが使えなくなっても連絡が取れるか)
一度送ったメールは取り消せません。「覆水盆に返らず」です。
20代の外資系で円満退職する英語メール例文を活用して次へ進もう
ここまで、シチュエーション別の英語退職メールについて解説してきました。
退職は「終わり」ではなく「始まり」です。 特に20代の外資系キャリアにおいて、以前の職場のネットワークは、あなたの最強の武器(資産)になります。
たかがメール、されどメール。 この一通のメールが、数年後に思わぬビッグチャンスを運んでくるかもしれません。
例文をうまく活用し、あなたの感謝と誠実さを伝えてください。 そうすれば、きっと誰もが笑顔であなたを送り出し、そして未来のどこかでまた笑顔で再会できるはずです。
あなたの新しいステージでの活躍を、心から応援しています!
Good luck on your new journey!
- 20代は謙虚さと自信を兼ね備えたトーンで書く
- 件名は「Resignation」や「Farewell」と明確に
- ネガティブな理由は書かずポジティブに変換する
- 上司へは感謝と引継ぎの意思を明確に伝える
- カウンターオファーは一貫性を持って丁寧に断る
- 同僚へは少しカジュアルに「Next Adventure」を使う
- LinkedInのURLなど個人の連絡先を必ず載せる
- 社外へは後任者を紹介し安心感を与える
- 上司への報告は金曜日の午後がベター
- Farewellメールは最終出社日の午後早めに送る
- 感情的にならずプロフェッショナルに徹する
- 円満退職は将来のキャリア資産を守る行為である
- ピーク・エンドの法則で最後を最高に締めくくる
- 退職は裏切りではなく新しい挑戦である
- このメールが未来のチャンスを作る種まきになる

